【書評】日常に潜む影響力の凄さを考えさせられる一冊!「高いも=良質なものという考え」

「影響力の凄さを改めて考えさせられた!」

いきなりですが、「影響力ってすごい力を持っていると思いませんか?」

先日、影響力の武器と言う本がなぜか気になったので、ついつい購入。

そしたら、これがまたいろいろと勉強になるし、普段の生活での事に関しても色々と考えさせられる本だなと。

著者は、アメリカを代表する社会心理学者の1人。

「アリゾナ州立大学教授のロバート・B・チャルディー二氏」によって書かれた本です。

っと行っても、僕はこの本を手に取るまでこの方のことを知りませんでしたけどねw

こちらの本は、第1章から第8章で構成されています。

ページ数も450ページとなかなか分厚い本ですが、専門書のように難しく書かれているかと思いきや、一般読者向けに分かりやすく書かれているので、意外とスラスラと読めるなと感じました。

僕のように心理学について全く詳しくなくても、自分の身近な環境での影響力について事例なども書かれているので、「あぁ〜それあるわぁ〜」とか「確かにその通りだ!」と言ったような事を考えながら比較的楽しく読めました!

自分の普段の生活において、自分が気がつかないところでも「意外なところで影響力の力が働いてるんだなぁ」っと少し驚きもありつつ、納得できることも沢山あります。

そんな、「影響力」について書かれたこの本「影響力の武器」を参考にして、影響力という力を身につけたり、その力に負けないように、「影響力」について学ぶことができるかと。

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「影響力の武器 」本の内容をちょこっと紹介!

この本の内容を簡単に説明しつつ、僕がこの本を本で見ての感想をちょこちょこ紹介したいと思います。

第一章 影響力の武器

自然環境のなかで動物の行動を研究する動物行動学者は、さまざまな種の動物の行動がしばし固定的で自動的なパターンとして生じることに気づいた。

これは固定的行動パターンと呼ばれるが、こうした行動の連鎖は、人間の自動的反応 (カチッ・サー) と似ている点で注目される。

人間もそれ以外の動物も、その自動的な行動パターンは、状況内の関連情報のなかの、たった1つの特徴によって引き起こされる。

このたった1つの特徴は、状況内のそれ以外の情報をた逐一慎重かつ完璧に分析する事なしに一連の正しい行動を導き出せるため、大変貴重なものとなる場合が多い。

(著書から一部引用)

僕も経験がありますが、大概値段が高いものは良質な物が多いと思いっていました。
良い商品だから値段が高いとも言えるかもしれませんね。

実際にその品物を吟味するわけでもなく、「値段が高い=いい商品」と思い込んでいる節がありますね。

「皆さんはどうでしょうか?」

もし、その商品の価格は同じで良質な品物でなかったとします。そうした場合、しっかり商品を吟味すればもしかしたら良質な商品でない事に気付くかもしれません。

しかし、その商品の価値を計る知識がなかったら値段や店員さん、または周りの評価などに頼るしかありません。
その結果、その商品を良く吟味しないで、「値段が高い=良い商品・周りの評価が高い=良い商品」などと判断して購入してしてしまのではないでしょうか?

そういった固定的なパターンによって判断を下せる事によって、考える時間など節約できるのは事実。

毎回、いろいろな事に対して深く時間をかけて考えていれば、時間がいくらあっても足りません。

ですので、そう考えればとても便利ですね。
しかし、それを利用される場合もあると言う事を覚えておかないと大失敗をしてしまうかもしれないということですね。

注意が必要です!

第二章 返報性 昔からある「ギブ・アンド・テイク」だが

社会学者や人類学者によると、人間文化のなかで、最も広範囲に存在し、最も基本的な要素となっている規範の1つに返報性のルールがある。

このルールは、他者から与えられたら自分も同じようなやり方で相手に返すように努める事を要求する。

返報性のルールは、行為の受け手が将来それに対してお返しをする事を義務づけるので、人は自分が何かを他者に与えてもそれが決して無駄にならないと確信出来る。

(著書から一部引用)

これについては、恐らく殆どの人が受ける影響ではないかと思いました。

僕も人から何かしてもらったらお返しをしなければいけないと思ってしまいます。

子供の頃からそのように教育されてきたからなのかは分かりませんが、人にしてもらった行為に対してなにか返さないと気がすまないのです。

たとえ、その人がお返しを望んでいないとしてもですw

「恩を返したいとか」「借りを作りたくないとか」思いは人によって違うかもしれませんが、してもらった行為に対してしっかり返したいと無意識に思ってしまうものです。

第三章 コミットメントと一貫性 心に住む小鬼

ほとんどの人には、自分の言葉、信念、考え方、行為を一貫したものにしたい、あるいは、他者からそう見られたいという欲求がある事は、心理学者の間ではずっと以前から知られていた。

この欲求は、三つの要素によってもたされる。

第一に、一貫性を保つ事によって、社会から高い評価を受ける。

第二に、一貫性のある行為は、一般的に日常生活にとって有益である。

第三に、一貫性を志向することで、複雑な現代社会生活をうまくすり抜けるの役立つ、思考の近道が得られる。
すなわち、以前の決定と一貫性を保つことで、将来類似した状況に直面したときに、関連するすべての情報を処理する必要が少なくなり、以前の決定を思い出して、それに一貫するように反応しさえすればいいことになる。

(著書から一部引用)

これについても、「確かに!」と思い当たる節がありました。

以前に自分が言った事に対して、意見を曲げなかったり、たとえそれが間違っていたとしても、自分が言ってしまった事に対して意見を変えるのが大変な時があるなと。

お店などで、「買います」と言ったしまったら、それを取り消す事はなかなか難しいように・・・w

「やっぱりいらない」と言えばいいだけなのに、「これ買います」と言ってしまったばっかりに、「いらない」とは言えなくなってしまう事もありますよねw

第四章 社会的証明 真実は私たちに

社会的証明の原理によると、人がある状況で何を信じるべきか、どのように振る舞うべきかを決めるときに重視するのが、他の人々がそこで何を信じているか、どのように行動しているかである。

他人を模倣しようとする強い作用は、子供にも大人にも見られ、また、購買における意思決定、寄付行為、恐怖心の低減など、さまざまな行動領域で認められる。

他の多くの人々が(多ければ多い程よい) が要請に応じた、あるいは応じていると告げる事によって、ある人がその要請に応じるように促す事ができる。

(著書から一部引用)

これについても思い当たる節がありすぎるぐらいですよねw

なにか行動を起こすときなど、どうすればいいのか分からない場合、「人の行動・考えを真似する事」が頻繁にあると思います。っていうか、周りと同じ行動をしていれば間違いはないと思ってしまう。

何かを購入しようとする時も、まずはネットでその商品の評価を確認してから購入するのはまさにこれではないかと。

第五章 好意 優しそうな顔をした泥棒

「人は自分が好意を感じている知人に対してイエスと言う傾向がある」

このルールを知っているので、承認誘導の専門家たちは、自分の全体的魅力を高めるようないくつかの要因を強調し、自らの影響力を強めている。

全体的な好意に影響する要因の1つとして、その人の身体的魅力があげられる。身体的な美しさが社会的相互作用のなかで有利に働く事は、ずっと以前から知られているが、研究の結果によれば、その利点は想像以上に大きい。

(著書から一部引用)

何かを頼まれる時に、いかにも暗い顔をしている人に頼まれるよりも、ニコニコ笑顔で頼みごとをしてくる人のほうが、頼み事を聞いてあげたいと思ってしまうのは僕だけでしょうか?

または、自分が好意を寄せている、または好みの男性・女性から、何か頼み事をされたらついついイエスと言ってしまうのではないでしょうか?

僕は言ってしまいますねw

第六章 権威 導かれる服従

服従に関するミルグラムの研究から、権威からの要求に服従させるような強い圧力が私たちの社会に存在する事がわかる。

権威者から命令されると、正常で心理的に健康な多くの人たちが、自分の意に反していても逆らうことなく、極度に危険なレベルの痛みを他者に与えた。

正当な権威者に従おうとする力は、そのような服従が正しいという考えを社会のメンバーに植えつけようとする、体系的な社会科の訓練から生じている。

さらに、本当の権威者は優れた知識と力を持っているのが普通なので、そうした人の命令に従う事は適応的な好意である場合が多い。

このような理由から、権威者に対する服従は、一種の短絡的な意思決定として、思考が伴わない形で生じてしまう。

(著書から一部引用)

これは日常生活でも良くある事ではないでしょうか?

仕事でも会社の上司、社長の言う事は絶対だと言った事を耳にしたことがある方もいるかと思います。(今時こんなことを言うのかどうかは、謎ですが・・・)

「僕も経験がありますよ!」

明らかに間違っている決定でも、上司・社長などが決定した事に対して従わなければいけないし、それを間違っていると疑わないなんて、今考えるとありえないことですけどねw

今まで、それは結局、仕事に対して責任がないとか、人ごとだから関心がないからなどと言う理由なのではないかと思っていましたが、どうやらそれだけではないのかもしれないと考えさせられる。

第七章 希少性 わずかなものについての法則

希少性の原理によれば、人は、機会を失いかけると、その機会をより価値あるものとみなす。

この原理を利益の為に利用する技術として、「数量限定」「最終期限」と言った承認誘導の戦術があげられる。
これを使う人々は、自分たちが提供しているものは、販売する量や期間に限りがあると私たちに信じ込ませようとする。

希少性の原理が効果を上げる理由は二つある。

一つには手に入れにくいものはそれだけ貴重なものである事が多いので、ある品や経験を入手できる可能性がその質を判定するてっとり早い手掛かりとなるからである。

もう一ついは、ある品やサービスが手に入りにくくなるとき、私たちは以前よりも自由を失っているからである。

(著書から一部引用)

これも皆さん思い当たるのではないでしょうか?

「数量限定」・「期間限定」と紹介されている商品などをついつい購入してしまうという方も多いかと思います。

そして、より手に入れる事が困難になった時、前よりもその商品が魅力的に見えるし、さらに欲しくなると言う事もうなずけます。

それに、これは希少性の影響力とは少し違うかもしれませんが、希少な物・能力などを持っているというだけで、優越感に浸れると言う事もあるのでは?

周りの人が持っていない物・能力を自分は持っていると言う事に対して、とても価値があると思ってしまう傾向がある気がします。

第八章 手っとり早い影響力 自動化された時代の原始的な承諾

現代の生活は、過去のいかなる時代とも異なっている。科学技術の驚くべき発展によって、情報が溢れ、選択の幅が拡大し、知識が爆発的な勢いで増加している。

私たちの社会では認知の過剰負荷傾向が強まっているので、それに比例して手っ取り早い意思決定を行う機会が増えている。そのため、相手への要請のなかに、影響力の起爆剤をいくつか忍ばせるタイプの承認誘導の専門家はますます成功しやすくなっている。

こうした手法を用いる人々が皆、汚い事をしているというわけではない。承認を引き出すきっかけが、状況にもともと備わっていたわけではなく、捏造されていた場合のみ、それは不正なものとなる。

私たちが思考の近道によって得られる利益を失わずにいるためには、あらゆる適切な手段を使って、そのようなインチキに対抗する事が重要である。

(著書から一部引用)

なにかしら決定をする事って毎日のようにあります。

日常生活でも、仕事でも、はたまた遊びに出かけていてもです。

そんな、沢山の決定をする為に、一つ一つ熟考して決定をくだす事は本当に難しいですし、時間がかかります。

なので、上記で紹介されているような原理を使い素早く決定していく事も重要だなと。

まとめ

こんな感じで簡単に本の内容を紹介してみました。

上記でもお伝えした様に、心理学に関してあまり詳しくない僕でも比較的スムーズに読む事ができる本でした。

それに、何より普段の生活のなかでの事、仕事での事などにも役立つ内容だと感じましたね。

普段の生活の中で特に気にもとめなかった自分の行動・言動も改めて考えさせられました。

タツキチ

この本を読み終わった後に、「影響力」ってこえ〜 って一人でボソッとを漏らしていましたねw

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